風日晴和

毎日楽しく忙しく

この淋しさを何にたとえよう

今朝、実家の母に電話をした。

 

お中元にビールと缶酎ハイを送ったのだけど、お礼の電話も来やしない。

もともと電話をくれる人ではないけれど、こっちがなんか送った時くらい届いたって連絡してくれてもいいのにね。

仕方がないので、こっちからちゃんと届いたか確認の電話をする。

その前に父から『届いたよ』とLINEでメッセージは着てるんだけどね。

 

昔はよく、実家のかーちゃん特有の『こっちにもあるんだからわざわざ送らなくってもいいのに!』なものを送ってきた。

仕事をやめて、年金暮らしになると箱数が減り、物が減り、今では送ってこなくなった。

それでも、母は送る気はあるらしく『荷物がたまったら送るからね』と電話をするたびに言っていた。

最近ではその言葉すら出てこなくなっている。

なにか送ってほしいわけではないの。

ただ、何年か前はできていたあれこれが確実にできなくなってきている。

本人はそのことに気が付いているのか、いないのか。

 

ワクチンの4回目の予防接種は来週の日曜日だそうだ。

3回目のときにはめちゃめちゃテンションが下がっていて、『もう打たない!』って言ってたけれど、わたしと同じ無言の同調圧力に弱いので父に引っ張られていくみたい。

4年もしたらわたし達が名古屋に帰るからそれまで元気でいてね。

そう言うと、『どうせ、コロッと気持ちが変わって来(こ)んようになるわ』と言い返された。

わかっている。

母はわたし達が帰ることに反対だってことは。

新しい人間関係を構築することも、それに対して気を使うことも嫌なんだろう。

何よりも、わたし達が帰ることで兄夫婦がより一層寄り付かなくなることへの不満があるんだと思う。

跡取りがちゃんといるのに、どうして苗字がわかった娘に世話にならにゃあかんの!って、感じでしょうか?

 

悲しいなぁ。

淋しい。

ええかっこしいなので、間違ってもわたしの旦那さんの前ではそういうことは言わないけれど、さすがに娘には本音をぶっちゃける。

わたしだって、そりゃ両親のことが心配だけれど、長く務めた仕事もあるし家もディズニーリゾートもあるこの場所を離れたくない。

離れたくないけれど、わたしの両親と自分たちの未来のために名古屋に帰ることを決めた旦那さんの気持ちを考えると、離れたくないと思う気持ち以上に有難い。

なのに、その当事者の一人に『来んでもいい』と言われると悲しくて淋しくなるの。

 

夏目漱石が『I LOVE YOU』を『月がきれいですねとでも訳しなさい』と言ったそうですが、わたしのこの淋しさはなんと例えればいいだろう。

 

『帰るところのない雨は冷たいです』