今週のお題「夏うた」
2005年7月に発表された浜田省吾さんの『My First Love』。
このアルバムには夏の歌が3曲入っています。
『君と歩いた道』は15歳の夏を振り返り、それでも、同じ人生を選び、『君』に出会いたいと歌います。
青春ただなかの夏の日の歌。
遠い物語。
『ある晴れた夏の日の午後』は照り付ける太陽の日差しの中で会えなくなった『君』に、再び逢える日の為に恥じない日々を送ろうと歌います。
切なくなるラブソング。
離れていても、君への愛を思う日々。
クーっとなります。
そして、『花火』。
コンサートでのMCでは『女性には評判が悪い曲』だとおっしゃってました。
それもそのはず。
家庭があるのに、ふと、アクセルを踏んじゃってそのまま帰らないまま5年が過ぎた男の歌なのです。
そのことを一緒にいる君に花火を見ながら告白する・・・・。
女性としてはツッコミどころ満載なのです。
家族を置いていなくなったのに、他の女性と一緒に居るってどないやねん!
でも、この曲を聞くと、
河原のほとり。
楽しそうな笑顔と浴衣。
小さな子が持つ綿あめ。
幸せそうな家族。笑いあう家族。
夜空には美しい花火。
本当なら、自分もその中にいた筈なのに、入れない切なさ。
もう、そんな幸せな世界には帰れない。
そんな情景が目に浮かびます。
個人的には私も家に帰りたくなくて泣きながら家の前で立ち止まっていた経験があるので、『彼』の気持ちはわかります。
奥さんや子供たちへの愛情も消えたわけでは無い。
それでも、その中に帰るのがつらい。
私はそれでもその中に帰ることを選んだけれど、あの時踵を返していたら、同じように切ない気持ちで花火を観ていたのかしら。
夏が沁みるアルバムです。