大好きな演出家野田秀樹さんが主宰していた夢の遊民社という劇団のお芝居を観に行ったときの台詞の中に
『赤子の手をひねるようにとはいうけれど、実際に赤子の手をひねるのは難しい』(要約)みたいな台詞があった。
『赤子の手をひねる』の意味を調べると
無力の者をたやすく負かしたり、物事をやすやすと行えることのたとえ
と、ある。
でも、無垢な瞳を持つ赤ちゃんのスベスベとぷくぷくが同居した白く小さな手をひねることができる人間がどれほどいるのだろう。人間の赤ちゃんが苦手なわたしでも無理!
弱く保護すべき対象の者(人に限らず)に対して、強者であればあるほど守りたくなるはず。
弱いものを守るために強くなるのだもの。
最近世間を騒がせている強盗事件。
本来なら守られるべき立場の91歳の女性が暴力にさらされた。
どれほど、どれほど恐ろしかっただろう。
抵抗する術を持たないその女性を死に至らしめることなんて、実行犯にとってはそれこそ『赤子の手をひねる』よりも簡単だったにちがいない。
その行為になんの罪悪感すら覚えずに。
この事件には外国から指図する強者がいて、実行犯はその強者に搾取されていることにも気が付かない弱者で、その弱者が自分よりもさらに弱いものをターゲットにしている。
赤子の手をひねる。
本当にひねる人間がいること。
そのことをこの事件は教えてくれた。
指図役の数名が帰国し逮捕されました。
実行犯ではないので、どれほどの刑になるかはわかりません。
もしかしたら、十数年で出所してしまうかもしれません。
そして、日本の再犯率を考えると再び同じことを繰り返すことは容易に想像がつきます。
狭いところに閉じ込めるだけでなく、ちゃんと罪と向き合い、反省を促し再犯させないシステムを構築してほしい。