風日晴和

毎日楽しく忙しく

こんな本を読んだよ。『春のめざめは紫の巻』・『「おちくぼ姫」』田辺聖子

いま放送されている大河ドラマ「光る君へ」。

あちこちで「あ、ここ源氏物語のあの場面だ』ってとこがあって、楽しいです。

せっかくなので、いろんな人の現代語訳した「源氏物語」を読んでみよう!と見つけたのが

新・私本源氏『春のめざめは紫の巻』

こんなに有名な作家さんなのに、「芋たこなんきん』も大好きだったのに、田辺聖子さんの作品を読んだのははじめてでした。

読む前から「これが田辺聖子さんが現代語訳した源氏物語だ』と思い込んでいたため、読み始めたらその文章やらなんやらの違和感についていけなくて(笑)

「ヒゲの伴男』?そんな登場人物居たっけ?あれ?と混乱(笑)

現代語訳というよりも、「源氏物語」をネタ本にした2次創作に近いような感じでしょうか。

ただ、やっぱりさすがです。

違和感で置いてきぼりにされそうだったはずなのに、だんだんその世界観が好きになっていく不思議。

ああ、この悲恋をこうしたんだ。とか、あのすれ違いはこういうことになってるのね。なんて。

田辺聖子マジックにかかると、「源氏物語」も大阪のおばちゃんらの井戸端会議のタネになってしまう滑稽さ。(むちゃくちゃ褒めてます)

あさきゆめみし」的雅な世界も美しいけれど、人の営みっていつもいつも美しく雅ではいられない。うらの顔は大めしぐらいで大いびき、ノッペリ美男と言われるヒカルの君がいても楽しいかも。

 

『「おちくぼ姫」』

落窪物語」(作者不明・10世紀末ごろに成立したとされる)

この作品をジュブナイルに書き改めたのが「おちくぼ姫」

その為か、非常に読みやすくさらっと読み終えました。

この物語は日本版「シンデレラストーリー」と言われていますが、こちとら10世紀だぞ、600年~700年も前なんだぞ。

「シンデレラ」のことをヨーロッパ版「落窪物語」っていうのが本当じゃない?

と、思って調べてみたら、紀元前に「ロドピスの靴」という物語があるそうです。

遅かったかー(笑)

 

こちらのお姫様は継母にわかりやすく虐められているのにも関わらず、健気で優しく、そして、ちょっとどんくさい。

そのお姫様を守る女房の阿漕が大活躍します。

この物語の何が楽しいって、貴族のあれやこれやだけでなく、ごくごく普通の(貴族に使えている時点で市井の人ではないにしろ)人の生活もちょっとだけ垣間見れること。

 

ただ、やっぱりちょっと優しすぎたので、次は大人向けの「おちくぼ物語」を探して読もうかと思ってます。

その前に、古事記読まなくては(笑)