2011年3月11日の前日、旦那さんはちょっとした手術のために入院していた。
その日の昼頃、お見舞いに行き痛そうだけど元気そうだったので安心して洗濯物を持ち帰り、ホッとして猫たちとこたつで眠ってしまったのを覚えている。
そして、揺れで目が覚め、パニックを起こした猫たちをとっつかまえてこたつに放り込んだ。
あまりの揺れに驚いて腰を抜かしている義父母の不安そうな表情を覚えている。
その日を境に、ガラッと変わってしまった日常。
停電や水不足、食品や日用品の流通が滞る毎日。
仕事にも行けず、テレビでは同じCМが短いスパンで延々と流れた。
乾電池がどこにも売っていなくて秋葉原まで行ったとき、わたし達はあんなに省エネを頑張っているのにここでは昼間なのに煌々とネオンが光っている。
そのギャップに気持ちが悪くなった。
それ以来、秋葉原には足を踏み入れたことはない。結局乾電池も無かったし。
でも、だんだんと日常が戻ってくるとあの時の恐怖も悲しみも不便さも遠い過去の思い出話になり始めていた。
これが、13年と言う月日がもたらしたものなのか。
このところ、わたしの住む町でも地震が多発している。
難しいことはわからないけれど、自分でできる備えをするしかない。
お水やローリングストック、ベットの下の安全靴。
些細ではあるけれど、大事で必要な備え。
そして、13年前のあの日、あの時、被害にあわれた方々のために、せめて、花を。