風日晴和

毎日楽しく忙しく

恐怖の書物を見つけた。

去年の10月に実家に帰った時に見つけた恐怖の書物。

 

まじめなうちの父、このような本を購入してお勉強していたらしい。

無事故無違反で優良ドライバーのステッカーを何枚も貰っていた父。

運転免許証で家族を養ってきた父。

そんな父がこのような書物に頼らないと免許の更新が不安になってきたという現実。

この本を見つけた時、なんか苦い砂を噛んでいるような気分。

 

喉元まで出かかった言葉、『勉強しないと更新できないんだったら返納すれば?』

本来なら、すぐに言うべき言葉なのはわかっている。

でも、便利ではないこの場所で生活しているのは両親で、その両親にとっての移動手段が車しかないのは確か。

今のわたしは、近くにいるわけではない、生活の助けができる訳ではない、なのに、その手段をやめさせる権利はどこにもない。

 

最近、母が買い物に行くのも病院に行くのも、自転車で行くのは辛くなってきて、お父さんに車で乗っけて行ってもらってると言っていた。

母は父の運転に絶大な信頼を寄せているし、父も母の頼みは断れないので、当たり前のように車で送迎しているらしい。

幸い、うちのあたりはびっくりするくらい田舎の田んぼ道なので、スーパーマーケットや病院に行く道に通学路は無く、もしも、事故ったところで田んぼに突っ込むくらい。

とはいえ。

やっぱり、事故なんか起こしてほしくないし、もう、免許証も返納してほしい。

ああ、せめて。

わたし達が実家に行くまでは何事もありませんように。