wowowドラマ
連続ドラマW
0.5の男(全5話)
WOWOWオリジナルドラマの感想です。
出演
白鳥珠季
監督
詳しい内容は↓
社会問題になっている大人の『引きこもり』
友人と一緒に働いている人にも引きこもりのお子さんがいる。
引きこもりというと、部屋に閉じこもってゲームばかりして、食事を親に持ってこさせ暴力で支配する…てなイメージだけど、会話も普通にするし、ちゃんとお風呂にも入るし、なんだったら、家事全般をこなしてくれて、共稼ぎのご夫婦には何かと都合がいいんだそうだ。
だからという訳ではないだろうが、傍から見るとなんの手立てもせずに時間だけが過ぎていくように見える。
友人も何度か、このままじゃいけないんじゃないか?とアドバイスめいたことをしたらしいけれど、そのご家族にとってはやっと訪れた平和で平穏な日々を壊したくないらしい。
そんな時、その引きこもりさんのご兄弟が結婚することになり、それに伴い2世帯住宅を建てることになった。
もちろん、その引きこもりさんも一緒に住む。
まさに、このドラマと同じ状況。
友人はその職場をやめてしまったため、同居してからどうなったかは定かでは無いけれど、ドラマのように良い意味での異分子が平和で平穏だけど停滞した閉塞感のある家にに小さな風穴を明けてくれているかもしれない。
物語の主人公は、このままではいけないと思っている。
でも、あと一歩が出ない。
そんな時に舞い込んだ妹家族との2.5世帯同居。
思春期真っ最中の中学生の姪っ子や奔放な園児の甥っ子に振り回される。
最初は逃げたり怯えたりしていた主人公も、いつの間にかその無邪気な奔放さに(なにせちびっこだから人の顔色は見ないし、遠慮はないし、ぐいぐいだし、こっちの都合は無視だし)慣れていく。
ドラマの中では、主人公が仕事に行けなくなった当初、両親がいろいろと手を尽くしたけれど、彼ら曰く、『寄り添い方を間違えた』。
だから、もう『見守るしかできない』と。
顔も見せてくれなくなった息子。
タッパーに夕食を詰め、付箋にメッセージを残す。
そんな生活だったのに、いつの間にか、一緒に夕食を囲み、ビールまで飲めるようになった時、両親は静かに涙していた。
自分たちが『寄り添い方を間違えた』せいで、さらに辛い思いをさせてしまった後悔。
2.5世帯にするという、大きな賭け。
この後、この家族はどんな風に変化するかわかりません。
主人公は家を出ることができるかもしれないし、家を出ないかもしれない。
子どもたちは大きくなって、彼らの方が先に家を出るかもしれない。
家族だからっていつも一緒とは限らないし、一緒じゃないからって離れている訳じゃない。
一歩を出す勇気を貯める場所が、家だし家族なんだと思える。
そんなドラマでした。