NODA・MAP 第28公演
兎、波を走る
作・演出 野田秀樹
出演 高橋一生
7月の夏休みが始まる頃、池袋の東京芸術劇場にて観劇。
高橋一生さんが『フェイクスピア』に続いての出演。
前回は橋爪功さんやら白石加代子さんというバケモノ相手だった(褒めてます)ので、フォロー感が強かった一生さんでしたが、今回は松たか子さんというどんな球を投げても受け止めてくれるキャッチャーがいたからか、自由な感じがしました。
大倉さんはそのフェイクスピアに出演予定だったのに体調不良で降板。
今回は無事につとめられました。
本当に野田さんはこの役者さんを信頼してるんだなぁ。
大鶴佐助さんという役者さんは初めてお目にかかりましたが、彼はいい!あの甲高い声、丸っこいからだ、全然シャープじゃないのに鈍重ではない。
この役者さん、なんかいいです。
1度しか見ていない舞台の内容とか感想とかおこがましいので、割愛しますが、
相変わらず、観客に罪悪感を残す、お腹の内臓をグゥウっとさせる作品でした。
ラスト近くで多部未華子さん演じるアリスが『おかあさーん、おかあさーん』と叫ぶシーン。
あのシーンが多分、この物語最大の泣かせるシーンだったと思うの。
でも、泣かせるための感情豊かな『おかあさーん、おかあさーん』ではなく、どこか平坦な感情のこもらない『おかあさーん、おかあさーん』だったところが、印象的でした。
彼女のキャリアなら、いくらだってお涙頂戴な台詞にできただろうに。
観客を観客の内なる世界に行かせない演出だったのかしら?と思ったり思わなかったり。
冬にはwowowで放送されるそうです。
お腹の内臓がぐぅうってなるけれど、やっぱりもう一度観たい。