うちの父がシュウカツを始めた。
何年か前にも『子どもらに迷惑をかけんように』と無茶な断捨離を決行し、母をしょんぼりさせ、わたしに怒られた。
断捨離の中で、一番簡単なのは『捨』てること。
でも、それをしたところで、買うことを『断』ったり、欲しいという執着から『離』れなくちゃ、結局は元の木阿弥になるということを、わたし自身の経験で身に染みている。
義父が亡くなった時、義母には無理に片付けなくていいと伝えていた。
気持ちの整理ができていないうちに捨てても淋しさが増すばかり。
義父との時間が思い出に変わってからでも遅くないから。
数年後、わたしが仕事で旦那さんがお休みだったある日、義母と二人でわたしを仕事場にむかえに来た。
なんでも、その日、義母が『義父のものを片付ける!』と宣言し、旦那さんと一緒に不用品を片付けていたら義父のへそくりが見つかったので『義父の奢りでお夕飯を食べよう』ってことになったらしい。
わたしはお片付けを手伝っていないのに、ご相伴にあずかった。
さらに、数年たった先日のこと、義母が梅酒を作るために大事にしていたガラス瓶を捨てるっていうけど、どうする?と旦那さんからLINEが来た。
大事にしていたらしく、ピカピカのガラス瓶。
これで作った梅酒や梅ジュースを飲ましてもらったのを覚えてる。
最近では青梅も高いし重いし、作ることも無くなったので処分しようと思い立ったらしい。
それも理由の一つだろうけれど、もう一つの理由にわたしの故郷に引っ越すための断捨離の一環でもあると思う。
本当だったら、嫁の故郷に行くなんて嫌だと思う。
それでも、引っ越しのために少しずつ準備してくれている。
その前向きな姿勢、本当にすごいと思う。
闇雲に思い付きでシュウカツする父とはえらい違いだ(笑)